”生きづらい”ままとりあえず生きる

【7月26日を忘れない】②「月」に描かれた『架空の』施設

2025年07月13日 08:22

小説も映画もあくまでフィクションなので、モデルとなった出来事を忠実に再現した訳ではありません。

また、社会的な“見て見ぬふり”にフォーカスし、見る者に課題を突き付ける…その意味で描かれたような姿は作品構成上必要だったのかもしれません。


【誤解されかねない演出表現】

■日常的な虐待や「開かずの間」の存在

■心の荒(すさ)んだ施設職員

■さとくんが「異常な職場経験」から非人道的思想にはしる


けれども、事件報道もこうした作品も第三者によるコメントも、“見て見ぬふり”をしているのは、実は「障害者の人権」とともに扱われてもおかしくないはずの「施設職員の人権」なのではないかと思っています。

施設で働いている支援員の方々の実態に目を向けられる機会があまりにも少なすぎます。


■日常的な虐待や「開かずの間」の存在

重度・最重度知的障害の方は、食事や排せつといった身辺自立での支援が欠かせません。

ですので定時+随時支援員がお世話に入ります。放置するとすぐに褥瘡ができたり通院が必要になったりするので、人手がない中では放置するより早期対処する方が人手がかからなくて済むのです。


数ある介護施設・障害者施設で残念ながら虐待は発生しています。そうした行為に走る施設職員はゼロではありません。


ただ、それ以上にシビアな状況の中で専門性を保ち適切な介護や支援をしている支援員の方が圧倒的多数です。


「虐待や人権無視の処遇が日常的に行われている」かのような作品上の表現を、安易に現実の施設に置き換えることのないようにと強く願います。


(③につづく)


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