”生きづらい”ままとりあえず生きる

【7月26日を忘れない】10年を振り返る

2026年07月13日 13:12

事件で命を失われた方々とそのご家族に、あらためてお悔やみを申し上げます。

また身体も心も深く傷つけられた利用者と施設職員の方々。当時のご心労とその後のご苦労は図り知れず言葉もありません。今日まで歩んでこられたその日々に心を寄せるばかりです。


今月の「かながわ・県のたより」は津久井やまゆり園事件をとりあげ、黒岩知事もコメントを寄せています。


事件発生時は直後から取材と報道が過熱し、裁判が始まるとその経過が逐一報じられたものの、死刑判決確定後は一機に熱が冷めたようになりました。

その後も事件を取り上げた著作や映画作品が発表されるとマスメディアにとりあげられましたが、いずれも「ステレオタイプ」で「視野の狭い」扱い方だったと感じます。


・障害者施設は劣悪な職場環境

・そこで働く職員が心を病み蛮行に及んだ

そして

・悪者である施設を批判するのが正義


“家族に障害者がいる”ジャーナリストが痛烈な施設批判を展開していたこともあり、福祉の実態に疎い人には便乗しやすい論調だったのではないかと思います。


そして神奈川県知事も、施設運営を担っていたやまゆり園(かながわ共同会)の責任を厳しく問いました。県肝煎りの第三者委員会の検証も同様の見解でした。


蛮行に及んだのは、施設職員ではなく「元職員」です。

逆に被害に遭った職員は複数いましたが、その人達を案じるような言及は殆どありませんでした。

事件後も「血に汚された職場」から別な生活の場に利用者さん達を移し、自らの心身疲労を厭わず利用者さんの生活を支えていた多くの職員を労う声は、どれだけあったのでしょう。


そもそも、かながわ共同会は県の「県立秦野精華園の再整備(民営化)」のために作られた法人です。県央~県西地区の各社会福祉法人からリーダー級の職員を引き抜き職員を集めました。


その後も「愛名やまゆり園」「厚木精華園」「津久井やまゆり園」を県の施策として民営化もしくは新設していきました。

一つの法人が人材育成をしながら次々に民営化に応じていくのは相当負担の大きいことでした。


黒岩知事が着任前の長年にわたるこうした経緯を理解しているのかわかりません。


あれだけの事件が起きた時、被害を受けた当事者自身が単体でどれだけの責任を負えるというのでしょう?


「困った時は“県命”で民におろし」「問題が起きれば責任は当該法人」というのは、県の立場で一法人に対する姿勢として如何なものかと思わざるを得ません。


県は県の立場で負うべき責任があったと思います。


事件の予兆は、施設というよりも県警や警視庁の公安・薬物治療に当たった病院が掴んでいました。

リスクを把握していた各所同士が連携せず、攻撃対象となる可能性のある対象施設に知らせなかったことが問題でした。


神奈川県も、県警も警視庁も病院も、本当に無責任でした。


施設側に何の落ち度もない…と言いたい訳ではありません。

本当の事件はどういうものであったのか、そこに目を向ける人がいてほしいと願っています。

そして「ステレオタイプ」で「視野の狭い」無責任なコメントに傷つけられる、当事者の方々のご負担が少しでも軽減されていくことを願っています。

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