【書籍紹介】「カサンドラ症候群」岡田尊司
2025年06月16日 13:03
今回は精神科医で作家の岡田氏の著作から。
前の2冊と比較すると、アストン氏著は海外発信で包括的な内容。
アゴ山氏原案は個別ケース。ということで、それぞれに違いがありました。
岡田氏は自身のクリニックでの臨床活動も踏まえ、興味深い指摘をしています。
(タイトルより抜粋)
・第二章 原因はアスペルガーだけではない
・回避型愛着スタイル
・うまくいっていた時期があるのに、なぜ?
・自己愛性パーソナリティ障害
・回避性パーソナリティ―障害
・第五章 親子関係の問題がからみやすい
など
「共感性が低下した状態について、大人のアスペルガーといった“診断”が、振り回されがちであるが、実際には、発達障害と言えるものはごく一部である。」(本書p.63より引用)
「カサンドラ=アスペルガーの…」というステレオタイプな理解は修正が必要かもしれません。
「大人の発達障害」についても同様と考えられます。
ほか、個人的に本書で関心をもったのは終盤に出てきた事例です。
マーガレット・ミード(gender概念生みの親)と3回目の結婚相手がグレゴリー・ベイトソン(ダブルバインド研究)だったとは!
学生時代に参考文献として読んでいたのがミードの本で、家族療法について勉強し始めた2000年頃に“はまった”のがベイトソン・グループが登場する「ミルトン・エリクソン子どもと家族を語る」(ジェイ・ヘイリー編、金剛出版)でした。
ほんの数ページですが、それがあったことで本書への個人的共感性が一気に高まったのは言うまでもありません。
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